どうも、夢を追いかけるために4年間バイトで貯めた100万円の内、80万円をFX(為替取引)で溶かしたことのあるエスパニョール堤です。
以前に、1万冊読破した男が選んだ!人生を変えるオススメ漫画12選という記事を書いたのですが、それ以来いろんな漫画を読んでいます。
中でも楽しみながら勉強になった漫画がこちら。
インベスターZです!
入学試験を満点で合格した投資を全く知らない中学校1年生が、学校の運営資金を稼ぎ出しているという「投資部」に入り、悪戦苦闘する漫画。現在、モーニングで連載中。著者は受験テクニックや勉強法を題材にした漫画、ドラゴン桜を書いた三田紀房さん。
元々、勉強になると巷で話題だった漫画で、現役の経営者の方々、
- ホリエモンこと堀江貴文さん
- ミドリムシの培養で話題となったユーグレナの出雲充さん
- ZOZOTOWNを経営する会社の社長 前澤友作さん
が登場人物として出てくることでも有名です。
めちゃくちゃ面白い漫画なんですが、読んでてどうしても気になることがありました。
それは
インベスターZに出てくる投資の教えは本当に使えるものなのか?
です。
- キャプテン翼の必殺技はできるのか
- クッキングパパのレシピは美味いのか
- カイジに出てくる地下王国はあるのか
と同じようなことですが、
インベスターZに書いてるのはお金を実際に使う、とても具体的な投資の話なので、
本当に使える知識じゃないとヤバいよね
と思うんですね。
特に僕は、冒頭書きました通り、留学するための資金をFXで溶かしてしまった経験があり、「投資で稼ぐ」ということに強いトラウマがあるので、漫画によって生半可な知識を与えて読者が投資に手を出し、大事なお金をドブに捨てるようなことは、断じて許せません。
そこで
インベスターZで語られてることってぶっちゃけどうなの?
という疑問を投資歴30年の株式投資のプロにぶつけてみることにしました。
今回、インタビューを快く引き受けて頂いたのがこちらの方です。
・証券会社で、事業法人、金融法人営業、自己売買部門を経て、独立。株式投資に約30年間携わる
・大阪府知事からの要請で、中小企業金融制度施策の金融新戦略検討委員会の委員を歴任
・約3000名の受講生を抱える個人投資家のための株式投資スクールを主宰
・投資の教養(https://toushi-kyouyou.com/)というWEBメディアを運営中
・『初心者でもがっぽり儲かる 大化け「低位株」投資法』 (幻冬舎)、『小額資金で儲ける株ゴールデンルール』(ユウメディア)、『億を稼ぐ株投資法則』 (ユウメディア)を上梓
今回のインタビューは投資を全然知らない方も原作を読んでない方もきっと楽しんでもらえると思います。
是非、読んでみてください。
1、作中の投資の教えは実際に使えるのか聞いてみた
普段は漫画を読まない紫垣さんにプレゼント
1−1 自分の持ってる資金と相談して利益と損失の額を決めろ
インベスターZ(2巻)Kindle版
P15より引用
利確とは、利益を確定させること
損切りとは、損益を確定させてその株を切ってしまうこと
【例】「利確10%、損切り5%」とは?
利確-10000円で株を買ったら、11000円になったら売る
損切り-10000円で株を買ったら、950円になったら売る
これは「何に対しての%なのか」が重要になってきますが、だいたいの場合は買った株の値段から計算します。
主人公は「初心者は利確10%、損切りは5%でやれ」と先輩に教わります。
僕はこの考え方にはあまり賛成できませんね。
それが資金管理のルールだと思っています
例えば、元本100万円持っていたとして、1000株買ってる場合と10000株買ってる場合では損する金額は10倍違うんですよね。
買値から5%下がったら売って損切りをすると考えたとしても、株数が多かったら資金の半分を失うようなケースがあるわけです。
だから、僕のクライアントさんには「元本はいくらあって、どれだけ失っても大丈夫か」というリスク率を決めようと伝えています。
元本からの5%でも結構リスクは大きいです。
まずは自己資金と相談して、そこから利確と損切りのルールを決めていかないとダメですね。
1−2 出口ありきで投資しろ
インベスターZ(2巻)Kindle版
P93より引用
出口をどう想定しているかはものすごく重要ですね。
一般的に出口のことまで考えて売買をしてる人はほとんどいないですね。
「上がると思って買う」
「儲かると勝手に想像してしまう」
こんな感じですね。
利益はもちろん大事なんですけど、
株の値動きが自分の思い通りにならないケースがほとんどです。そこで出口を想定していないと出られなくなるってことになりますよね。
ですので、入る前に「いいとき」と「悪いとき」の出口を考えておかないといけないです。
そして、入ってしまったらそこを忠実に守るってことが重要ですね。それが、なかなか守れないんですけどね。人間は。
どこでやめるかってことを明確にしないといけないですね。
もちろん儲けたいんですが、勝率ってどこまでいっても大体50%なんで。
サイコロを転がすようなもんですよね。
だから、負ける金額を極限まで小さくするってことで、結果的に利益が生まれるようなことです。
そうなると、損切りって大事だよねっていう話になってくる訳なんですよ。
1−3 初心者だって下げ相場を狙ってもいい
インベスターZ(10巻)Kindle版
P187より引用
その人自身の性質というのもありますし。
基本的には会社の価値が上がりそうな株を買うのが王道で、「売り上げ」、「経常利益」が上がってる株を買うのが基本です。
でも、僕は右肩上がりの株を買うのが得意じゃないんですよ
一度クラッシュした株で、そこから下がる圧力がないものを買いたいですね。
ただ、最近のスキャンダルは会社が潰れそうなものばっかりなんで(笑)
王道は上がっていく株を買うスタイルなので、初心者には分かりやすいと思います。ただ、売買をして株価の上下で儲けが出るという意味では一緒なので、大事なところさえ押さえていれば、ベアだのブルだのと考えなくていいと思いますよ。
2、どうしても聞いておきたい素朴な疑問を5つぶつけてみた
実際に漫画を見て頂きながらのインタビュー
2−1 四季報は今も使えるのか?
インベスターZ(12巻)Kindle版
P39より引用
1990年台後半まではみんな四季報は読んでました。
2000年以前はみんなPCは持ってなかったし、表示される仕組みもなかったんですよ。
証券会社に行って専用の端末を使ったり、道歩いてたら株価が表示されてる電光掲示板みたいなやつがあるじゃないですか。
インターネットのインフラが整って、PCの演算の能力も上がって、やっとこうやってモニターで株価を見たり、売買できるようになったんですよ。
こういうようなことができるようになってから、四季報を読む人はほとんどいなくなりました。
根強い人気があって比較的高齢者の人は使ってますけど、もうお金を使わなくても情報を見れる時代ですからね。
ただ、その会社のホームページを見てIR情報を確認するのが主流ですね。
四季報に書かれている情報は重要ですが、もう四季報で確認する必要性がなくなっているのが現状ですね。
2−2 インベスターZの投資部は昔はどう取引していた?
インベスターZ(1巻)Kindle版
P35より引用
今、投資をやってる人たちからしたら、そんなアナログな投資は考えられないでしょうね。 グラフとかは手書きの人もいたし、地道に情報を得ながらやっていたんでしょうね。 インベスターZ(13巻)Kindle版 損しますね。 漫画に描かれている通りで、管理の面で銘柄は集中するべきなんですよね。 10も20も30も、は管理できないですね。 だからと言って本当に優秀かは別の問題になりますけどね。ただ、一応リターン11376%は実現できる数字ではあるということですね。 ちなみに僕はラリー・ウィリアムズからたくさん学んでます。 インタビュー後に調べてみたら完全に一致していました。インベスターZに出てくるジェフリー・スコットの元ネタはラリー・ウィリアムズだったようです。 アメリカの有名な投資家・投機家。ウィリアムズ%R(W%R)などの数多くの投資手法を発案した。1987年のロビンスカップで11376%(113.76倍)の驚異的リターンを出し優勝し世界にその名をとどろかせた・・・ インベスター Z(11巻)Kindle版 例えば、FX編では、1ヶ月でどれだけ儲けるかを勝負するんですけど、そこで大きく負けてしまって売買するのが怖くなるシーンがあって、その時に先輩に麻雀やれってシーンがありますね。 その状態は僕も経験ありますし、投資家のみなさん全員が経験してることだと思いますよ。 僕はやったことないんですけど、為替のディーラーで麻雀やってる人は多いですし、強いですよ。 アメリカだったらポーカーですね。 僕の周りでも麻雀の場の空気を読んだりするところが投資に通ずる部分がすごくあると聞きますね。 全16巻を買って並べてみた インベスターZ(1巻)Kindle版 お金をお金だと思うと、躊躇しちゃいますね。 お金と思ってやるとできないと思いますよ。 ただ、一か八かっていう意味で使うとおかしくなりますね。 どう考えても株は一か八かでやるものではないですからね。 株式には裏付けできる価値というものが存在しますからね。 ただ、株式は会社がどれだけ利益を出しているか、会社がどれだけ配当を出しているかとか、確認できる「価値」に対する投資なので。 ディスプレイの数に圧倒されました そして、今年はもうダメだと思います。 個々の企業の価値が行き過ぎてるってことではなくて、株式市場にお金が入り過ぎてるってことですね。 ここからアメリカの株価がぐんと下がります。 すると、日本の株価もどうしても下がります。 けれど、危ない、危ないと分かってるんだけど、株価が上がってるから投資をせざるを得ない状況になってますね。 例えば自分の資金をファンドマネージャーに預けるとしますよね。 そこで状況として株価が上がっているのに、売ってしまってそこから抜けるというのは「なんで抜けるんや?アホちゃうか?」になっちゃうんですよね。 買って持ち続けないと儲けをみすみす見逃すことになりますよね。 だから、お金を預かっている側は特にここから抜け出せなくなってしまうんですよね。 ただ、僕は下がって欲しいんですよね。 今回のインタビューの内容をまとめると、 9つの質問に答えて頂きました。 ちょっとしたズレのようなものがありましたが、概ねインベスターZの内容は投資の世界でも通用するということでした。 何よりも、インタビューにお答え頂いた紫垣さんが投資のことを本当に楽しそうにお話されていて、投資がやりたくなりました(笑) 手取り16万ライターとしては軍資金がなさ過ぎて行動に移せないのは残念ですが、いずれ稼げるようになったらゲーム感覚で楽しみながら投資できたらなと思います。 エスパニョール堤 最後に、 記事中でもご紹介していましたが、紫垣さんは投資初心者向けのWEBメディア投資の教養というサイトを運営されています。 実際に値動きを追いかけている映像もあり、かなり具体的な情報が満載です。興味のある方は是非のぞいてみてください。 ちなみに僕の一押しの記事はこちらです↑ この記事読むと投資やりたくなります(笑) また、無料のオンライン講座も用意されているので、興味のある方は受講してみてください。2−3 6つの銘柄の売買は分散投資なのか?
P25より引用2−4 リターン11637%は現実としてできるのか?
インベスターZ(11巻)Kindle版
P127より引用
インベスターZ(11巻)Kindle版
P127より引用2−5 投資に麻雀は活かせるのか?
P113より引用3、最後に大事なことをぶっちゃけてもらった
3−1 投資はゲームと思わないとやってられない
P105より引用3−2 今年はガクンと下がる日本の株価の見通し
今回の9つの質問の回答をまとめてみた
1年以上後になる2018年7月の今、記事を読み返してみると楽しいものですな。
インベスターZで言われてることって、中核の部分は正しいというか当たり前のことなんですよね。
原作にせよ紫垣さんの解説にせよ、枝葉に惑わされず中核を理解するには、やはりある程度経験が重要。
そこが理解できるレベルならそこそこ生き残っていけますね。
「おしめが取れたら一人前」(このフレーズ使って欲しかった)