正解のない時代に必要な読書の素晴らしい効果と本の選び方

現代はインターネットでいつでも、すぐに情報を手に入れられる時代です。こんな時代に、「本から情報を得るなんて非効率的だ!」と考えている人は多いのではないでしょうか?

今回はそんな人にこそ知ってほしい、インターネットの時代だからこそ”必要な読書の効果と自分に合った本の選び方”についてご紹介します。

ネットで情報が溢れる今、なぜ読書が必要なのか?

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戦後からバブルにかけて日本は右肩上がりの成長を続けてきました。当時の日本の人々は、ある「物語」を共有していました。その「物語」とは、いい大学を出て、いい企業に入って、結婚して、子育てをして、ローンを組んで家を買う、といったものです。

しかしバブル崩壊とともに、この「物語」は崩壊しました。いい大学を出たからといっても、いい企業に入れるとは限らないし、いい企業に入っても、いつ倒産してもおかしくない…。旧来の「物語」に現実味がなくなってしまったのです。私たちの世代には、こう生きれば幸せになれる、という目標が失われてしまいました。

こんな時代に幸せに生きるには、自分自身の価値観を持って、人生の方向性を自分で考え、行動していかなければなりません。しかし、それらのことを最初からできる人は少ないのではないでしょうか?

そのための能力を身につけるのに、読書は大きな効果を発揮します。以下で読書によって得られる効果について説明していきます。

 

読書によって身につくもの

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間違った情報に騙されない「ものの見方」が手に入る

インターネットで調べれば、知りたいことを知りたいときに調べられるのに、本を読む必要ある?と、感じている人も多いと思います。情報収集の点から見ればインターネットが一番効率がいいことは否定できません。

しかし、インターネットで調べると、必要な情報をピンポイントで探し出すことが出来ますが、その情報を導き出すための過程の部分を見ることが出来ません。インターネットは情報収集という点から見れば非常に優秀ですが、情報以上のものを得ることはできません。

それに対して読書をすると、情報に加え、著者がある物事に対して、どのように考え、どのように結論に至ったかという、思考過程の部分を知ることが出来ます。

それはつまり、著者特有の「ものの見かた」を知ることにつながります。たくさんの著者の本を読んでいけば、自分の中にたくさんの「ものの見方」を持つことができるようになります。

「ものの見方」が増えることで、今までの自分では考えることができなかった角度から、物事を考えることができるようになります。

上にも書いたように、現代は自分自身の価値観を持って、人生の方向性を自分で考えて行動していくことが大切です。

しかし読書をせず、視点を増やすことが出来なければ、一つのものを根拠もなく絶対視してしまうことにつながりかねません。

不謹慎な例かもしれませんが、オウム真理教の幹部はほとんどが一流大学を卒業したエリートで、一般的に言えば「頭のいい人」たちでしたが、オウムの教えを絶対視したことで大きな過ちを犯してしまいました。もしも彼らが、他の「ものの見方」を持っていれば、オウムの教えも簡単に相対化することができたはずです。

つまり、受験勉強のできる「頭のいい人」も、「ものの見方」が少なければ、他の可能性を考えることができずに、思考停止に陥ってしまうということです。

思考停止を防ぐためにも、読書を通じて様々な「ものの見方」を持つことは非常に重要です。

逆に読書をすることで、自分の「ものの見方」を増やしていけば、間違った情報に騙されにくくなりますし、なにかの決断をするときにも選択肢が増えることになります。

自分に自信を持つことができる

読書は自分では、なんでもないと思っていた経験の意味をあとから気づかせてくれるという効果があります。

読書をしていると、自分と同じ考えを持っている著者に出会い強い共感を覚えることがあります。

共感する文章にであったとき、「そうそう、それが言いたかったんだよ」「この著者は俺と全く同じこと考えているなぁ」という気持ちになりますが、その文章を読むまでは、ぼんやりと無意識でそう感じていただけで、言語化するまでには至っていないということがほとんどです。

つまり、読書によって今まで無意識下にあったものを言語化し、意識下にまで浮かびあがらせることができるのです。

言語化することで、無意識にぼんやりと感じていたものに意味を与えられると同時に、同じ経験をした人がいるという実感が、自分一人だけの感覚ではなかったのだ、という自信を生み出します。

その自信が次の行動への足がかりにもなるのです。

学ぶ意欲が向上する

読書をすると、どんどん学ぶ意欲が高まっていきます。

脳には「強化学習」という機能があります。脳は何かをしていて嬉しいことがあると、脳内にドーパミンという物質が放出されます。そうすると、そのときに活動していた神経細胞のつながりが強化されます。これが「強化学習」です。

つまり、読書をしていて、ある分野の知識を得ることに喜びを感じれば、どんどんその分野について、学ぶ意欲が向上します。「学ぶ」⇒「ドーパミン放出」というサイクルが回り続ける限りこれは続きます。

しかし、ドーパミンが出るのは嬉しい時に限るので、その時々で読んでいて楽しいと感じる本を読むことが意欲を向上させ続けるためには大切です。

行動力がアップする

読書をするよりも、実際の体験をする方が大切だという人がいます。たしかに、読書よりも実際に体験したことが役立つこともあるかと思います。

しかし読書は、実際にものごとを経験するための動機づけにもなるのです。スポーツ漫画を読んで実際にそのスポーツをしてみたくなった経験が、誰にも一度はあるはずです。

読書もそれと同じです。読書を通じて、今まで知らなかった新たな世界を知ることは自分の世界を広げるきっかけになります。

思考が緻密になる

読書を通じて、様々な文章に触れていくと、自然と語彙力が上がっていきます。

人がものを考えるときには言葉を使います。ですので、語彙力は考える力の基礎になります。語彙が少なければ、使える言葉が少ないために、考えも単純になってしまいがちです。逆に語彙が多いと、考えるときに使える言葉も多くなり、より細かくものごとを考えることができるようになります。

 

自分に合った本が見つかる!読む本の選び方

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読書の必要性や、読書の効果について説明してきましたが、「そうは言っても、どういう本を読めばいいのかわからない」という人も多いと思います。そこで、おすすめの本の選び方について紹介していきます。

まえがきを読んで選ぶ

自分が読んでいておもしろいと感じる本、つまり、そのときどきの自分に合った本を選ぶことが、楽しみながら最も効率よく学べます。

自分にあった本を選ぶには、まえがきが自分に合うかどうかで決めるということが有効です。

まえがきは立ち読みで買うか買わないか迷っている人が最初に見る部分でそこで購入するかしないかが別れるため、筆者、出版社共に最も力を入れているといっても過言ではありません

。ですので、最も力の入っている部分を面白いと感じることが出来なければ、その本はそれを見た段階では自分には合わないと考えてもよいと思います。

お気に入りの著者で選ぶ

読書をしていくと、「この人とは気が合うな」、「この人おもしろいな」という著者が必ず出てきます。そんなときは、その著者の本を複数読むのがおすすめです。

ある著者が一冊の本で書けることは、その著者の考えのほんの数%です。複数の著書を読むことで、新たな発見があり、よりその著者の思考回路を鮮明に知ることができます。

気に入った、著者が本文中で引用していて、興味が湧いた本もぜひ読んでみましょう。その本も自分に合う確率は高いです。

そうやって、徐々に読むジャンル、著者を増やしていくのも読書の醍醐味の一つです。

尊敬する人のお気に入りを聞いてみる

尊敬する人には是非、その人が今まで読んだ中で最も影響を受けた本を三冊ほど聞いてみてください。

その人の型を形成しているものが必ず見つかるはずです。そこから学んで成長することは、尊敬する人に近づくヒントになるでしょう。

古典に挑戦する

古典は長い期間、様々な人々の批判に耐え、現代に生き延びたものです。つまり、どんな時代でも通用する普遍的な考え方、「ものの見方」が含まれているということです。

古典はハードルが高いように感じられ、ついつい敬遠してしまいがちですが、いつの時代でも通用する考え方、「ものの見方」を手に入れるのに大きな役割を果たしてくれます。

是非、古典にもチャレンジしてみましょう。

普段は読まないジャンルを読んでみる

自分の興味がある本ばかり読んでいると、どうしてもジャンルが偏りがちです。

ときには、食わず嫌いしているジャンルにもチャレンジしてみるのも、新たな視点を得るのに有効です。

しかし、読んでみて本当に合わなければ、読むのをやめてかまいません。そのタイミングでは合わなかったというだけで、何年か先しっくりくるときが来る可能性は十分にあります。

無理して読むのではなく、そのときまで本棚で寝かせておけばいいのです。

 

読書についてもっと知れる!おすすめ本3選

最後に、読書について書かれた本の中からおすすめを3冊紹介します。

『本を読む人だけが手にするもの』藤原和博(著)


この本の著者である藤原和博氏は、大学卒業後、リクルートに入社、40歳で退職し、その後、、東京都における義務教育初の民間人校長として杉並区立和田中学校に赴任、また2008年~11年には、橋本大阪府知事の特別顧問を務めるなど、多種多様な分野で活躍している方です。

この本の序盤で藤原氏は、『それぞれ一人一人が自分自身の幸福論を編集し、自分オリジナルの幸福論を持たなければならない時代に突入した』と述べており、『「それぞれ一人一人」の幸福をつかむための軸となる教養は、自分で獲得しなければならない。そのためには、読書が欠かせないというところに行き着く』と主張しています。

「幸福をつかむための軸となる教養」をつかむために必要な、読書の効果や、今までの人生で読書がどのように役に立ったかという経験談、おすすめの本など、これからの時代を生きていく力を身につけるために必要なことが得られる、充実した内容になっているので、ぜひ一読をおすすめします!

本を読む人だけが手にするものの詳細はこちらから

『頭は「本の読み方」で磨かれる』茂木健一郎(著)


テレビでも大活躍の脳科学者、茂木健一郎氏の本です。この本で『知性というのは「どれだけたくさんの人の立場で考えられるか」ということ』だとし、『それは読むことによって養われる力』であると主張しています。

「知性」を身につけ上での、読書の必要性と効果について脳科学の視点と実際の経験をまじえて、詳しく説明されています。

僕はこの本を読んで、より楽しく、そして自信を持って読書をすることができるようになりました。

読書の必要性や効果に、まだ疑問があったり、自信が持てない人ほどぜひ読んでみてほしいと思います!

『頭は「本の読み方」で磨かれる』茂木健一郎(著)の詳細はこちらから

『死ぬ前に後悔しない読書術』適菜収(著)

はじめに断っておきますが、この本はとても毒が強いです。

本を読まない人はもちろん、「情報を仕入れるための読書」も「子供の読書」として強く批判します。

正しく本を読まなければ、「取り返しのつかない人」になると筆者は強く主張おり、そうならないためには、どうすればいいのかが述べられています。

「情報により武装した結果人間はバカになる。」「自分の意見などいらない」など過激で逆説的な主張が多いですが、その根拠となる論理にはしっかりとした説得力があります。

今までの読書観が一変してしまうような力を秘めた一冊です。

『死ぬ前に後悔しない読書術』適菜収(著)の詳細はこちらから

 

まとめ

以上、読書の必要性と効果、本の選び方、最後におすすめの本について説明しました。

本は、読んだ分だけ自分の力になると思います。

みなさん読書しましょう!

ABOUTこの記事をかいた人

京都出身の現役早大生。 読書を中心に日々勉強中。 価値ある情報を提供できるように頑張ります!

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