大人になってから、以下のようなことを思ったことはありませんか?
- 学生時代にもっと数学を勉強しとけばよかった
- あれ?数学、必要かも
- 数学ができれば人生がもっと違ったものになっていたんじゃないか
ビジネスの世界で必要とされる論理的思考(ロジカルシンキング)が優れている人の多くは、数学が得意です。
論理的思考(ロジカルシンキング)を鍛えるために、数学をできるだけ短時間でやり直す勉強法を紹介します。
数学を学び直して、論理的思考に強いビジネスパーソンを目指しましょう!
1.数学は論理的思考のトレーニングに最適
数学が得意な人は論理的思考力があると言われます。これは、数学が論理的に1つずつステップを積み上げて進んでいく、論理を扱う科目だからです。
『日本の義務教育では「論理」という科目名で教わることはないが、数学を通して、その素養を学んでいるのである』(佐藤優)
数学を学ぶ目的は微分積分や三角関数を日常生活で利用することではありません。
数学を学ぶ目的は論理的思考の
- 筋道を立てて物事を考え、それをわかりやすく説明する力
- 一貫していて筋が通っている考え方あるいは説明の仕方
を学ぶことにあります。
数学を学ぶことで世の中を見る視点が変わります。常に物事を論理的な視点で考えるようになります。数学ができる人の頭の中は、とても論理的にできています。
論理的思考の本で、論理をうわべだけ学ぶのではなく、数学の勉強を通して本格的な論理的思考を身につけましょう。
2.論理的思考の2大メリット
「論理力とは、考えをきちんと伝える力であり、伝えられたものをきちんと受け取る力にほかならない。」
数学を通して論理的思考を学ぶことで、伝える力と受け取る力を鍛えることができます。
2−1.伝える力
論理的思考を鍛えることで、ビジネスに必要なスキルである、論理的に伝える力が身に付きます。
論理的に伝える力は、具体的には以下のようなものです。
- 論理的に話せる
- 論理的な文章が書ける
- 論理的なプレゼンができる
- 論理的な相手に自分の意見を納得させることができる
- わかりやすいく的を得た簡素な説明ができる
2−2.受け取る力
論理的思考を鍛えることで、ビジネスに必要なスキルである、受け取る力が身に付きます。
受け取る力は、具体的には以下のようなものです。
- 難しい本が読めるようになる
- 自分と違う他人の意見を理解することができる
- 情報を整理して簡素にまとめることができる
- ビジネス上の問題点を検証・定量化し、対象を客観視することで論理的な解決の糸口がわかる
数学を通して論理的思考を身に着けることで、これらの力が自然と身に付きます。
また、これらの力をさらに鍛えるために、本を読んだりする場合でも、吸収力が飛躍的にアップすることになります。
3.おすすめ数学教材
教材選びのポイントは、ズバリ、やさしいものを選ぶこと!です。
難しいものや、ゴールまでのハードルが高いもの、これ一冊で完成といったものを選びたくなる気持ちはすごく理解できます。
しかし、消化不良になったり、進めることにストレスを感じたり、その結果、途中で挫折してしまっては意味がありません。数学のように論理の積み重ねが大切なものを学ぶ場合、基礎がとても大切になります。
やさしいもの、理解しやすいものを選んで、ストレスをあまり感じることなく楽しくサクサク進めていくことが大切です。ストレスをあまり感じず楽しくサクサク進むことで、いつの間にか夢中になって時間が経つのを忘れるようになる!
これが最高の勉強法です。
3−1.おすすめ数学本
中学数学の本と高校数学の本を3冊ずつ紹介します。
数学が苦手な人のために短時間で全体を理解することができる本から、論理的になぜそうなるかを答えてくれる本まで紹介します。
中学校の数学までは大体理解できていたという人は、高校数学から始めるのがいいと思います。
①中学数学を短時間で全体を理解することができる本
中学3年間の数学を8時間でやり直す本
中学数学のエッセンスだけを短時間で学ぶことができます。ここがコツというところにポイントが書いてあります。そのポイントを説明できるようになり、問題が解けるようになることが目標です。
問題はそれほど多くないので、すべて解けるようになるまでそんなに時間はかかりません。数学が苦手だった人でも中学の復習が短時間でできます。
②論理的になぜそうなるかまで答えてくれる中学数学の本
増補改訂版 語りかける中学数学
小学校の復習から始まり、数学を暗記ではなく、なぜそうなるかを論理的に理解できる本です。
全832ページととても量が多いですが、その分基本的なところを丁寧に解説してくれています。よくわからない分野だけ読むという方法もいいかもしれません。
③論理的思考にフォーカスした中学数学の本
初歩からわかる数学的ロジカルシンキング (SCC Books 385)
中学数学の基本的な事項のみを使い、論理的に考えること、伝えたいことをできるだけわかりやすく説明することに数学を役立てる方法が書かれています。
Googleの入社試験で有名になった「東京にマンホールは、いくつあるか?」や「義理チョコの必要性」などを簡単な数学を使って、論理的に解いていく本です。
また、MECEやフェルミ推定など、論理的思考のトピックも出てきます。
④高校数学を短時間で全体を理解することができる本
カラー版 忘れてしまった高校の数学を復習する本 (中経出版)
基礎から簡潔に説明されており、しかも、本質的な事項も書かれています。問題もやさしめの問題が最低限載っているだけなので、短時間で読み終えることができます。
まさに、忙しい大人のやり直し数学のための本です。
⑤論理的になぜそうなるかまで答えてくれる高校数学の本その1
長岡先生の授業が聞ける高校数学の教科書数学 (考える大人の学び直しシリーズ)
この本はただの高校の教科書です。ですが、100時間以上の音声講義がついて、教科書の背後にある厳密な論理に基づく数学が学べます。なぜこの公式が出てきたのかを、徹底的に解説してくれています。
どんなに数学が得意な人でも学べることはたくさんあります。数学の美しさ・楽しさ・そして感動までも味わうことができる本です。
⑥論理的になぜそうなるかまで答えてくれる高校数学の本その2
大人のための数学勉強法 ― どんな問題も解ける10のアプローチ
なぜ、三角形の面積=底辺×高さ÷2、なのか等、なぜそうなるかが論理的に説明されています。数学1Aの範囲なので、高校数学の知識がなくても読むことができます。
この本を読めば、数学がほとんど暗記なんかいらない科目であることがわかります。また、数学のひらめきは直感的なセンスではなく、論理の積み重ねであることが学べます。
3−2.おすすめ数学動画
活字が苦手で、本を読むのが苦手な人には、動画がおすすめです。
リクルートがやっている、CMでもおなじみのスタディサプリは、受験業界の有名講師の授業が月額980円で受け放題です。集中して1か月で視聴すれば、本1冊買うより安く済みます!
小学生から大学受験まで、レベル別の授業なのでレベルに合わせて授業を選択できます。授業はわかりやすく、おもしろいです。まずは無料体験授業を受けてみるといいと思います。
4.最短で効果が出る具体的数学勉強法
本や動画で理解ができても、読みっぱなし、聴きっぱなしでは効果がほとんどありません。
数学の勉強で最も大切なのは復習です。
今まで理解できなかったことが理解できて、解けなかった問題の解き方がわかったら、次にすべきことは先に進むことではありません。
次にすべきことは、直後に即復習することです。
素早く論理の流れだけを復習することがポイントです。すぐに復習するので、時間はあまりかかりません。定着するまで何度も何度も繰り返します。苦手な問題は毎日少しずつでもいいので、これを続けます。
どんなに難しい問題も毎日復習を続ければやさしくなり、そうなった時には数学の力が飛躍的にアップしています。
復習ができたら、解き直しをします。不正解の場合はもう一度復習します。正解するまでこのステップを繰り返します。
このように復習することで短期間で数学をマスターすることが可能になりますし、説明する訓練こそが論理的思考を鍛えてくれます。
理解できたことを人に説明できるようになることがゴールです。論理の流れを意識しながら1分もかけずに説明できるようになり、できるだけ簡単に人に教えられるようになるのが理想です。
5.時間がない大人のために、最優先である確率だけ勉強する裏ルート
5−1.確率が最優先である3つの理由
①より高度な論理的思考が身につく
論理的思考(ロジカルシンキング)でよく聞くキーワードにMECE(ミーシー)というものがあります。MECEは、漏れがなくダブりもないという意味です。
確率の問題を解く時、最も意識することは、漏れがないか・ダブりがないかという点です。ミスなくこれを行うには高度な論理的思考が要求されるので、論理的思考の訓練には最適です。
確率を学ぶことで、MECEの考え方を身につけることができます。
②ビッグデータ時代に必要なデータ分析の基礎になる
データ分析には統計学の知識が必要ですが、統計学の基礎となるのが確率です。
次のステップとして統計学を学びたい場合、確率を学んでいることで、スムーズに統計学を学ぶことができます。
③他の数学、中学の知識を前提としない
微分積分を学ぶ場合は中学・高校で習う、関数をはじめとする様々な知識が必要となります。それに対して、確率は中学ではほとんど学ぶことはなく、高校で習う関数をはじめとする前提知識がほとんど不要です。
前提知識がなくても高校の確率だけ学ぶことが十分可能なのです。
5−2.参考書を使った確率の具体的勉強法
次に確率の勉強をしていく上でおすすめの参考書をご紹介します。
まずは、
①日本一わかりやすい 坂田アキラの 確率が面白いほどとける本 (坂田アキラの理系シリーズ)
おそらく、数学の参考書の中でもっともわかりやすいです。しつこいくらい説明がされているので、最初はとっつきにくい確率もしっかり理解できます。
やさしい問題をどんどん解いていくことで確率の理解を深めていく本です。
確率の問題の多くは、解答が短いので、解けなかった問題も高速で復習できます。解けなかった問題をすべて解けるようにするのが目標です。
次に
②細野真宏の確率が本当によくわかる本 (細野真宏の数学が よくわかる本)
これも基礎からわかりやすく説明がされています。
坂田アキラさんの本よりは問題のレベルが高く、最後の章では東大と京大の問題ばかりが載っています。
一冊で0から100まで学ぶことができ、最後まで解き終えれば、高度な論理的思考が身に付きます。
まとめ
数学は暗記科目ではありません。
なぜそうなるのかを問い続け、論理をひとつづつ積み重ねていく科目です。
なぜそうなるのかを理解できたとき、最初はどう解いていいか全くわからなかった問題が解けたときに感動体験を与えてくれるとても楽しいものです。
そうした感動体験の数だけ数学の力は伸びていきます。
「教育とは、学校で学んだことをすべて忘れたその後に残っているものだ」
これは、天才物理学者アインシュタインの言葉です。
数学で学んだ公式や問題の解き方を忘れてしまったとしても、数学を通して身に着けた論理的思考さえ忘れなければ、数学を学んだ意味はあります。
数学を学ぶことで、一生の宝となる最高の武器である論理的思考を身につけて下さい!
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