2007年に当時19歳の和佐大輔氏と23歳の木坂健宣氏によって開発・発売された「インターネットビジネスの教科書」。これまでに累計で5万本以上(5億円以上)売れ、日本で一番売れたマーケティング教材として有名。インターネットマーケティングの世界に様々な意味で革命を起こした。それが12年の時を経て、ついに完全リニューアルされた。
こんにちは!QOLHacksのビジネス部門担当ライターの田中です!
今回はインターネットマーケティングの世界では知らない人はいないという「和佐大輔」さんが、あの「ネットビジネス大百科」をリニューアルして、「ネットビジネス大百科“2”」としてリリースしたと聞いたので、詳しいことを色々根掘り葉掘りインタビューしていこうと思います。
「ネットビジネス大百科」も「和佐大輔」も「木坂健宣」も知らないよ、という人も、きっと「これからの時代のビジネスの本質」が学べるはずなので、ぜひ読み進めてください。
1、なぜ「ネットビジネス大百科2」は無料公開なのか?
和佐大輔、30歳。12歳で事故で「頸椎損傷」という障害を負い、以来、半身不随になる。16歳でインターネットビジネスに出会い、高校を中退して起業。17歳で年商1億円のビジネスを作り上げる。それ以来13年連続で右肩上がりにビジネスを成長させ、コンサルタントとして数多くのクライアントを成功に導く。足だけでなく、手も不自由なため、パソコンの操作は「口にくわえた割り箸」で行っている。
「半身不随で、割り箸を口にくわえて、毎年1億円以上を、13年連続で稼ぎ続けてきた、奇跡の人」と言っても、過言ではない。
最初から無料にしようと思っていたわけじゃありません。だって既に公開されているコンテンツだけでも、セミナーが7本分あって、合計で11時間以上あるんです。これを作るのはものすごい大変なんですよ。まあ、セミナーを担当しているのは僕ではなく、ビジネスパートナーの木坂さんなんですけどね。
もっと言えば「脳科学」とか「人類史」なども踏まえて、まさに今、世界で起こっていることを解明しているので、これはもう「ネットビジネス大百科」という枠に収まりきってないんですよね。
これを無料で公開するのは流石に僕もビビりましたよ(笑)
でも、「やらなきゃな」って謎の使命感があったんです。
だから「ネットビジネス大百科」というもののの存在意義というのは、「これまでのマーケティングの伝統をちゃんと踏まえて、インターネットに最適化するとどうなるのか?」を示すことでした。
それが「DRM(ダイレクト・レスポンス・マーケティング)」というものですね。そして実際に、2007年から今までのインターネットのマーケティングは、DRMの原理でほぼ全て説明ができるんです。
でも、DRMというのは別に僕らが新しく発明した手法ではありません。100年以上歴史のある手法なので、とても伝統的な手法なんです。違う言い方をすれば「科学的マーケティング」と言ってもいいと思います。
でも、段々とその「科学的マーケティング」というのが通用しない時代になってきているんです。
1ー1 数字を追い求めるマーケティングでは必ず壁にぶつかってしまう
つまり、多様性がなくなるということですね。たった1つの究極の商品だけあればいい。
でも、どこを見渡してもそんなものはないし、その片鱗すら見えませんよね?
「AとBのどっちが優れているか?」を、無限にテストしていけば、理論的には「究極のもの」にたどり着くはずです。まぁ、「究極の美人」みたいなものですね。
例えば、気分によってはAさんの方が美人に見える時があるし、Bさんの日もあるわけです。そんな感じで、実はテストを繰り返しても得られる答えには限界があるんです。さらに、ここにテスト項目が増えたらもっと大変です。
例えば、美人だったとしても
- 「結婚したい人」
- 「付き合いたい人」
- 「子供を作りたい人」
とかで、シチュエーション別に分けたら、答えは全然変わってきますよね?
「より売れる商品」とか「より売れる広告方法」を追求するわけです。
例えば、テレビCMのようなマス広告の場合は、厳密な商品の売上を測定することができないので、どのタレントを起用して、具体的にどれだけ売れたかを判断するのが難しいです。
ただ、インターネットだと全てが数値化できます。誰がどこから来て、どのページを何分読んで、何を買ったかとか、ユーザーの行動は全部筒抜けなんです。
つまり、頑張っている人ほど、限界にぶち当たっていて、突破口がないんですね。これが科学的マーケティングの限界です。
1ー2 これまでのビジネスの価値観そのものをアップデートする必要がある
もういよいよ「科学的マーケティングで頑張っても無理」という段階が目の前まで迫っていると感じています。だから、これまでのビジネスの価値観を塗り替えるような、新しい「ネットビジネ大百科」を出さないといけないと思ったんです。
気付いちゃったら、もう出すしかないですよね。まぁさっき仰られてた謎の使命感ですよね。
例えば「ネットビジネス大百科」にしても、1万円という価格設定の理由は「多分この設定が一番多くの人に広まる」と考えたからでした。
だから「なるべく多くの人に広めよう」と思ったら、アフィリエイターに報酬を払うのが一番でした。
そのために1万円にしたんです。買いやすいし、アフィリエイターの報酬としても十分に払える金額が「1万円」だったんです。
「ネットビジネス大百科2」は、これからのビジネスのスタンダードになる知識が体系化されているものなので、なるべく多くの人に広めたかったんですよ。だから無料にしました。
だって1万円でも、2万円でも十分売れたわけですよね?
でも、「ネットビジネス大百科2」に関しては、もっとオープンにして行きたかったんです。
2、科学的マーケティングでは説明できない人気者が現れた
これまでの僕らマーケッターというのは、ひたすら細かいテストを繰り返して、0.1%の数字を追い求めてきたんですが、彼らはそんなにチマチマしたことをやっていないですよね。
2ー1 SNSの時代になって高まる不確実性
科学的マーケティングは時代性に関係なく、ある程度のレベルまでは有効ですが、時代を代表するようなメガヒットは生み出しにくいです。根本的にチマチマしてますから。
ただ、インターネットは「不特定多数」を相手にできるので、科学的マーケティングとの相性は最高で、例えば100万人を相手にできるなら、たった1%の人に買ってもらうだけでも1万人が買ってくれるわけです。
科学的マーケティングは、何人に届けて何%買ってもらうかっていう「確率」の問題で話が済んでしまいます。
だから上手くやれば、個人レベルでも数億円規模のビジネスを作れたんです。実際僕の会社はほぼ僕一人で経営してますし。
僕らも随分昔から「一億総発信者時代になる」と言い続けてきましたが、今まさにそれが現実となっています。逆にSNSをやっていない人の方が珍しいぐらいですよね?
だって、目の前にいるお客さんだけを相手にしているわけじゃなくて、その先の「クチコミの先にいる人」まで意識しなきゃいけないわけです。
しかも場合によっては、そのクチコミしてくれる人が、一般人じゃなくて芸能人やインフルエンサーの場合だってあるんです。そういう意味で、本当に不確実性が増えたと思います。
そして、今はテストや努力ではどうやっても乗り越えられない壁ができてしまってるんです。
2ー2 努力では越えられない壁があることに気づかないといけない
仮に全く同じ発言をしても、センスがある人がするのと、センスがない人がするのでは、バズり方に雲泥の差が出るんです。これはあらゆるものがそうですね。それこそ「ラーメン」でも「まずい方が人気」という可能性がめちゃくちゃあるんです。インスタ映えするとか、ね。
でも、僕らはビジネスを仕掛ける側の人間じゃないですか?
だから不確実なものに手を出すわけにもいかないんですよ。スタートアップの時期ならいいんですが、何年も経営していくことを考えると、ギャンブルはできません。でも、今の時代は不確実性が増していて、人気が出る理由がはっきりとしません。
逆に言えば昔はもっとシンプルだったってことですね。
やっぱり絶望ですね(笑)
これはもうある意味、奇跡に近い仕事なんですよ(笑)
だって誰も明確な答えを持ってない時代ですからね。そこにある種の「答え」を出そうとしているんです。
こういう話は結構込み入っているというか、誰もが理解できることじゃないと思うので、あんまり話さないようにしてます。
でも、せっかくのインタビューなのでちゃんと話そうかな、と。
科学的マーケティングを打ち破る次の時代のビジネスの教科書「ネットビジネス大百科2」はこちら(無料です)
3、これからのビジネスの本質
だから「ネットビジネス大百科2」は、「これからのビジネス(成功)の結論」だと僕らは考えています。
しかも、これ以上ないほどシンプルに、かつ、すぐに使えるように体系化しているので、観ればすぐに頭がアップデートされると思います。
テスト項目・要素・手段が増えすぎて、複雑化したことによって、逆に最適解が導き出しづらくなったんです。
「これだけを突き詰めれば必ず成功する」という、これからの時代のビジネスの本質を掴めるかどうかが鍵ですね。
3ー1 コミュニティという言葉の本当の意味
例えば、僕は乃木坂46が好きで、僕自身は「乃木坂コミュニティ」のメンバーだという自覚がありますが、だからと言って僕は握手会に行かないし、乃木坂好きが集まるオフ会とかにも行きません。家で自分一人で楽しんでいます(笑)
でも、僕は「乃木坂コミュニティ」のメンバーなんです。「横のつながり」とか、「物理的接触」というのはとてもわかりやすいですが、コミュニティのあり方はそれだけではなく、もっと普遍的なんです。
3ー2 「コミュニティ化」するビジネス
例えば、パスタが食べたい人と、パスタを作る人のマッチングですね。イタリア料理店に行けばパスタが食べられる。でも、どうせ食べるなら「美味しいほうがいい」ということになるので、今度は「競争」が起こります。この「競争」が、人類をここまで進歩させてきたとも言えると思います。つまりこれまでのビジネスの役割は
「お客さんをより満足させる」ことで、その競争に勝つことが「成功」だったわけですね。
3ー3 「人間」はもう競争には勝てない?
ロボットが職人の技を学習して、再現できるようになるはずです。このレベルまで技術が進歩すると、「お客さんをより満足させる」という競争に、人間が勝てなくなっていきます。
コスト的にも、クオリティ的にも勝てない。
「人間の職人が作れば1000万円以上する緻密な機械時計」もロボットが組み立てられるようになったら、ほぼ材料費だけで買えるようになります。
家だって「工場で3Dプリントされたものを現場で組み立てるだけ」なら、大工の熟練の技術は必要ありません。あと5年もすれば1000万円以下で家を建てられるようになるはずです。
「人間の仕事がロボットに奪われる」という話をよく聞くと思いますが、それはそうなんです。だってロボットは文句を言いませんから。クオリティがそこそこになってきたら、みんなロボットに頼みを聞いて欲しいんです。
そして人間よりもクオリティが高くなったら、もう人間が仕事をする意味はないんです。こんな風に、ビジネス・仕事というのは、AIやロボットと競争になった時点で、人間の負けはほとんど確定しています。あとは時間の問題。
じゃあ、そうなった次の時代のビジネスのあり方はどんなものかというと、それが「コミュニティ」だということです。
3ー4 「自分らしく生きられる場所」を提供するのがビジネス
僕はさっきコミュニティのことを「その人が自分らしくいられる居場所」だと言いましたよね?
例えば僕は乃木坂に何かを「やってもらっている」という感覚はないんです。多分、田中さんも「好きなユーチューバーに何かやってもらっている」という感覚はないと思います。僕らがそのコミュニティにいる理由は、そこにいると居心地がいいからなんです。
居心地の良さを感じてるから、そうなってるんですよね。
だから、AIやロボットとは全くベクトルが違う。AIやロボットは便利ですが、生きる気力や勇気をもらえるものではありません。ただ「機能」としてそこにあるだけ。それ以上でも、それ以下でもないんです。
そして、僕ら人間というのは「人はパンのみにて生くるものに非ず」という有名な言葉がありますが、ただ飯を食って生きているわけではありません。精神的な充足感がとても重要な生き物です。逆に言えば、もうこれからの時代はそこにしか価値はないんですよね。生きていく上で必要なことはロボットがやってくれますからね。
「もっと自分らしく生きたい」と思う人がいっぱいいて、その受け皿となるのが「コミュニティ」です。
3ー5 どれだけ時代が進んでも「人間の悩み」は簡単にはなくならない
ビジネスそのものの役割が「その人がその人らしくなれる場所を提供する」ということになっていくはずです。逆に「これは確かに便利だけど、自分らしいとは言えない」というものはどんどん人が離れていきますね。日本の家電とかが典型例ですよ。
デザイナーがデザインした本当におしゃれな家電とかですね。機能性はそこそこでいいんです。その家電に囲まれて暮らすことで、その人が自分らしさを感じるのかどうかが問題なんです。
例えば、ユーチューバーのファングッズとか、Tシャツ1枚で結構な金額がしますが、それでもいいんです。ファンから見れば、多少高くたって価値がある。ある意味「他人には理解されにくいお金の使い方」が、当たり前になっていくということですね。これがこれからのビジネスのあり方です。
3ー6 これからの時代は「客観」よりも「主観」の方が大事
今流行っている人とか、人気がある人は、その人が「すごい」というよりは、「面白い」とか、「共感出来る」という理由で人気があることが多いです。その根本にある、僕ら人間の精神活動は
- 自分らしくありたい
- それを認めてくれる人が欲しい
- 共感したい・されたい
という3つが繋がったものです。
4、終わりに
もっとお話を聞きたいところですが、既にかなりのお時間を頂いたので、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。
ちなみに「ネットビジネス大百科2」を見ればコミュニティの作り方も分かるということですよね?
QOLHacks ビジネス部門担当ライター 田中